私は負けない
Strong At The Heart
性暴力の傷が癒えるとき
「私はあなたを信じるわ。」
「加害者が悪いのよ。あなたは何も悪くない。」
このふたつの言葉は、性暴力を体験した人の心にとても効果的で大きな力となって響きます。
サバイバーたちが、自分自身や己の記憶を不確かで曖昧なものだと思ってしまうのはよくある事です。私自身が子どものときに言われたように、彼ら、彼女達もこんな事を言われてきたのかもしれません。「おまえの言うことなんて誰も信じないさ。」「それはあなたが悪いのよ。自業自得ね。」さらには、「そんなことを話したらきっと何か悪いことが起きるぞ。」
人が性暴力を告白するということは、真にあるがままの自分をさらけ出して、あなたを信頼しているということです。
「そんなのずっと昔の話じゃない。」あるいは「もう水に流して忘れたら?」 このような言葉は何の役にも立たないし、ひどく心を傷つけることにもなりかねません。
何も無かった振りをするのは加害者を援護こそすれ、傷ついた人や潜在的犠牲者を守ることにはなりません。
北アメリカでは、自分に何が起きたのか、その記憶に立ち返ることによって、多くの人々が心の傷を癒します。忘れられない衝撃的な感情や出来事に立ち戻るとき、必要となるのは支援と励ましです。 時間と優れたカウンセリングによって、嫌な経験は力を失って行き、悲しみや麻痺した心、あるいは恐怖から人は立ち直るのです。
性暴力は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす原因となり得ます。性暴力サバイバーは自然災害の被害者同様、語り合ったり、書き綴ったり、描いたりする事によって心を癒します。
人はそれぞれ自分にあったスピードで『克服』していきます。たとえ許す事ができたとしても、私たちは決して忘れる事はありません。
私たちの多くにとって、私たちが乗り越えてきた経験は、心の豊かさの源泉や創造のエネルギーとなります。
大藪さんは写真展を通して、性暴力サバイバーたちに自らを表現する機会を提供しています。レイプの体験を綴ったジェンナーの歌は、彼女の怒りを前向きに表現しています。アルトゥーロは薬物中毒を克服し、今では他の依存症の人々が人生をやり直せるよう力を尽くしています。祖母による虐待から心を癒す過程で生まれた慈愛の精神は、死に行く人とその家族に関わる自分の仕事に活力を与えてくれるものだ、とティーノは語っています。ケリーは自分自身をレイプした男の裁判を描いた、エミー賞受賞ドキュメンタリーを作りました。
本ウェブサイト及び本書は、私が心を癒す際に受けた支援に対する私なりの恩返しの気持ちを込めて書きました。
私は負けない
Strong At The Heart
性暴力の傷が癒えるとき
「私はあなたを信じるわ。」
「加害者が悪いのよ。あなたは何も悪くない。」
このふたつの言葉は、性暴力を体験した人の心にとても効果的で大きな力となって響きます。
サバイバーたちが、自分自身や己の記憶を不確かで曖昧なものだと思ってしまうのはよくある事です。私自身が子どものときに言われたように、彼ら、彼女達もこんな事を言われてきたのかもしれません。「おまえの言うことなんて誰も信じないさ。」「それはあなたが悪いのよ。自業自得ね。」さらには、「そんなことを話したらきっと何か悪いことが起きるぞ。」
人が性暴力を告白するということは、真にあるがままの自分をさらけ出して、あなたを信頼しているということです。
「そんなのずっと昔の話じゃない。」あるいは「もう水に流して忘れたら?」 このような言葉は何の役にも立たないし、ひどく心を傷つけることにもなりかねません。
何も無かった振りをするのは加害者を援護こそすれ、傷ついた人や潜在的犠牲者を守ることにはなりません。
北アメリカでは、自分に何が起きたのか、その記憶に立ち返ることによって、多くの人々が心の傷を癒します。忘れられない衝撃的な感情や出来事に立ち戻るとき、必要となるのは支援と励ましです。 時間と優れたカウンセリングによって、嫌な経験は力を失って行き、悲しみや麻痺した心、あるいは恐怖から人は立ち直るのです。
性暴力は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす原因となり得ます。性暴力サバイバーは自然災害の被害者同様、語り合ったり、書き綴ったり、描いたりする事によって心を癒します。
人はそれぞれ自分にあったスピードで『克服』していきます。たとえ許す事ができたとしても、私たちは決して忘れる事はありません。
私たちの多くにとって、私たちが乗り越えてきた経験は、心の豊かさの源泉や創造のエネルギーとなります。
大藪さんは写真展を通して、性暴力サバイバーたちに自らを表現する機会を提供しています。レイプの体験を綴ったジェンナーの歌は、彼女の怒りを前向きに表現しています。アルトゥーロは薬物中毒を克服し、今では他の依存症の人々が人生をやり直せるよう力を尽くしています。祖母による虐待から心を癒す過程で生まれた慈愛の精神は、死に行く人とその家族に関わる自分の仕事に活力を与えてくれるものだ、とティーノは語っています。ケリーは自分自身をレイプした男の裁判を描いた、エミー賞受賞ドキュメンタリーを作りました。
本ウェブサイト及び本書は、私が心を癒す際に受けた支援に対する私なりの恩返しの気持ちを込めて書きました。