私は負けない
Strong At The Heart
性暴力の傷が癒えるとき
「日本の性暴力被害者支援は、アメリカに30年遅れている」
この事実を、みなさんはご存知ですか?
これ、本当なんです。
なぜだか日本では、ずっと「性犯罪」「性暴力」が、良くも悪くもタブー視されてきました。 そのせいか、いまも性暴力の被害にあってしまった人が、どこに助けを求めたらよいかがわからない。 そんな状況です。
「性犯罪」というと、知らない人から突然襲われる、そんなイメージがあるかと思います。だから、この作品を読んでも、このサイトを見ても、日本のひとたちは驚くかもしれないし、「外国のことでしょ」と他人事に感じるかもしれません。 日本で「性犯罪にあいました」と言える人が、なかなか近くにいないかもしれないからです。 でも、それは、日本に性犯罪がないのではなくて、ただ「言えない」だけなんです。
日本の被害者・性暴力サバイバーたちは、このサイトや作品を見て、ほっとしたり、「同じだ!」と感じるひとも多いと思います。
私に起きた事件は、日本の多くの皆さんがイメージしやすい、見知らぬ人からの突発的な性犯罪事件です。 車に乗った人から道を尋ねられ、答えようと足を止めたところ、車の中に引きずり込まれてレイプをされました。 この事実を、こうして話すことをタブーとされ、また、私自身も「話してはいけない」と感じ、しばらくは自分の中だけに閉じ込めていました。
でも「なぜ?」
その答えが見つからず、隠し事をして、事件を「なかったこと」にして生きることに戸惑いが収まらず、その気持ちはだんだんと自分自身を追い詰め、生活がうまくいかなくなりました。 これが、多くの性犯罪被害者の現状です。
これで、いいのでしょうか。
なぜ、性犯罪の被害を打ち明けることを「恥」と感じ、「言わない方がいい」とされるのでしょうか。
一度でかまいません、皆さんご自身に問うてみてください。
『Strong at the Heart』『私たちは、性犯罪被害者です』
この作品は、30年先の、道しるべになるはずです。
身近なこととして捉えなくてもいいんです。
ただ、知ってください。私たちの希望と声を。
私は、この作品に出会い、“タイムマシーンを与えられた” そんな胸騒ぎを覚えました。
1975生まれ 東京都出身。
大学卒業後、OLを経て司法書士事務所、弁護士会に就職。
司法書士事務所に勤務していた2000年8月、性犯罪事件に巻き込まれる。 その経験を踏まえ、性犯罪被害者自助グループ運営に携わるなど、性犯罪被害者支援を考える。
2008年4月、『性犯罪被害にあうということ』を刊行。
2009年『STAND 立ち上がる選択』著者・大藪順子氏と日本での『性暴力をなくそうキャンペーン』のため活動中。
撮影:小島愛一郎
私は負けない
Strong At The Heart
性暴力の傷が癒えるとき
「日本の性暴力被害者支援は、アメリカに30年遅れている」
この事実を、みなさんはご存知ですか?
これ、本当なんです。
なぜだか日本では、ずっと「性犯罪」「性暴力」が、良くも悪くもタブー視されてきました。 そのせいか、いまも性暴力の被害にあってしまった人が、どこに助けを求めたらよいかがわからない。 そんな状況です。
「性犯罪」というと、知らない人から突然襲われる、そんなイメージがあるかと思います。だから、この作品を読んでも、このサイトを見ても、日本のひとたちは驚くかもしれないし、「外国のことでしょ」と他人事に感じるかもしれません。 日本で「性犯罪にあいました」と言える人が、なかなか近くにいないかもしれないからです。 でも、それは、日本に性犯罪がないのではなくて、ただ「言えない」だけなんです。
日本の被害者・性暴力サバイバーたちは、このサイトや作品を見て、ほっとしたり、「同じだ!」と感じるひとも多いと思います。
私に起きた事件は、日本の多くの皆さんがイメージしやすい、見知らぬ人からの突発的な性犯罪事件です。 車に乗った人から道を尋ねられ、答えようと足を止めたところ、車の中に引きずり込まれてレイプをされました。 この事実を、こうして話すことをタブーとされ、また、私自身も「話してはいけない」と感じ、しばらくは自分の中だけに閉じ込めていました。
でも「なぜ?」
その答えが見つからず、隠し事をして、事件を「なかったこと」にして生きることに戸惑いが収まらず、その気持ちはだんだんと自分自身を追い詰め、生活がうまくいかなくなりました。 これが、多くの性犯罪被害者の現状です。
これで、いいのでしょうか。
なぜ、性犯罪の被害を打ち明けることを「恥」と感じ、「言わない方がいい」とされるのでしょうか。
一度でかまいません、皆さんご自身に問うてみてください。
『Strong at the Heart』『私たちは、性犯罪被害者です』
この作品は、30年先の、道しるべになるはずです。
身近なこととして捉えなくてもいいんです。
ただ、知ってください。私たちの希望と声を。
私は、この作品に出会い、“タイムマシーンを与えられた” そんな胸騒ぎを覚えました。
1975生まれ 東京都出身。
大学卒業後、OLを経て司法書士事務所、弁護士会に就職。
司法書士事務所に勤務していた2000年8月、性犯罪事件に巻き込まれる。 その経験を踏まえ、性犯罪被害者自助グループ運営に携わるなど、性犯罪被害者支援を考える。
2008年4月、『性犯罪被害にあうということ』を刊行。
2009年『STAND 立ち上がる選択』著者・大藪順子氏と日本での『性暴力をなくそうキャンペーン』のため活動中。
撮影:小島愛一郎